黒蝶真珠とは
黒蝶真珠とは
基礎知識
特徴
産地
色の種類
形の種類
・黒蝶真珠とは
黒蝶真珠(読み方:くろちょうしんじゅ)(英語名:Black Pearl)とは、黒蝶貝(英語名:Black lip oyster / 学名Pinctada margaritifera)から採取された真珠のことです。黒蝶真珠という名称の他に、黒真珠やブラックパール、南洋真珠(South sea pearl)と呼ばれることもあります。また、養殖真珠の産地としてタヒチが有名なため、タヒチアンパール(Tahitian pearl)と呼ばれることもあります。
黒蝶真珠の魅力はなんといっても、大きなサイズや豊富な種類の色(カラー)です。サイズは7mm~18mmと日常に着け易いサイズから、華やかに着けられる大粒なものまであります。色はブラック系を中心に、グリーン、ブルー、グレー、ブラウン、レッド、ラグーンなど虹のように様々な色合いがあります。黒蝶真珠のジュエリーでは、特にネックレスやピアスなどに人気があり、落ち着きと華やかさを演出できる大人の女性にふさわしいジュエリーです。
黒蝶真珠で混同されやすいのが、その名称です。英語での表記はBlack Pearl(ブラックパール)のため、黒真珠と呼ばれたり、産地の関係で南洋真珠やタヒチ真珠などと呼ばれたりしますが、黒蝶真珠と全て同じ意味で使われています。
名称 |
黒蝶真珠 |
英語名 |
Black pearl / South sea pearl / Tahitian pearl/ |
一般的な呼名 |
黒真珠 / 南洋真珠 / ブラックパール / タヒチパール,など |
誕生石 |
6月の誕生石 |
石言葉(パワーストーン) |
愛、純潔、誕生 |
お手入れ方法 |
超音波洗浄:不可 / 着用後柔らかな布で拭く |
モース硬度 |
2.5~4 |
鑑別特徴 |
屈折率:1.530~1.685 / 比重:2.72~2.78 |
(硬度・鑑別特徴:G.I.A Gem reference guideより抜粋)
・黒蝶真珠の基礎知識
黒蝶真珠を定義づけるならば、「炭酸カルシウム、有機物、水分でできた凝固物で、貝殻をもつ軟体動物によって作られたもの」となります。
真珠は自然の創造物の中でも、魅力的なもののひとつに挙げられています。
人の手を加えなくても完成し、魅力的な輝きを放つ滴などと称された天然真珠が身に着けられた歴史を経て、現在では、そのほとんどが養殖によって育まれています。
日本では、大昔から真珠が深く敬愛され、万葉集には真珠にかかわりのある歌が数十首あるようです。1893年に御木本幸吉氏(ミキモト創業者・本店:銀座)が初めて半円貝付きの真珠を誕生させ、天然から養殖の時代へと移行します。1900年代初頭から黒蝶真珠の養殖を試みますが、技術的に困難を極め、生産が確立されたのは1970年代に入ってからのことです。
現在では、天然の真珠は大変な希少性があり、ほとんど入手困難なため、購入できるほぼ全ての黒蝶真珠は養殖で育まれた真珠です。母貝となる黒蝶貝は熱帯・亜熱帯の海域で、綺麗な海を好み、海水温の高い海域で養殖されています。そのため、日本では沖縄の石垣島などで養殖されています。主要産地は、南太平洋のフランチポリネシア諸島のタヒチ島が市場の9割程の生産量を占めています。
また、黒蝶真珠には、人工的に黒に着色したものがあるので、購入の際に見分ける注意が必要です。同様に、よくある質問が本物と偽物の見分け方です。簡単な見分ける方法をいくつかご紹介いたします。
・本物の真珠は持ってみると重さがあり、表面は冷たい感触がします。(ずっと触れていたり、着けていると体温の熱が移り温かくなります)
プラスチック製の偽物は、本物に比べて軽く、冷たい感触はあまり感じられません。
・本物の真珠は真珠層があるため、表面がザラザラしています。真珠同士を軽くこすり合わせるとそのザラザラを感じることが出来ます。偽物の真珠はつるっとしていて、こすり合わせてもザラつきを感じません。
・黒蝶真珠の特徴
黒蝶真珠の特徴は、大小豊富なサイズ、さまざまな色合い、ユニークな形が揃うバリエーションに富んだ、大変魅力的な真珠といえます。
実際にサイズ(大きさ)をアコヤ真珠と比較した場合、黒蝶真珠は大きなものもあります。
(アコヤ真珠:一般的に3mm~10mm。黒蝶真珠:一般的に7m~18mm。)
そのため、黒蝶真珠は、一粒でシンプルなデザインで身に着けていただいても存在感があり、気軽に着け易いペンダントから、大粒なサイズを使用したゴージャスなロングネックレスまで、さまざまなシーンで使えるジュエリーです。
・黒蝶真珠の産地
黒蝶真珠の産地は熱帯・亜熱帯の広い海域で養殖されています。黒蝶真珠の養殖には、暖かい海域が適しており、最適水温は24~29℃程といわれています。日本では紀伊半島以南から奄美や沖縄の石垣島、海外では台湾、インド洋セーシェル諸島、ペルシャ湾、紅海、ミクロネシア、ポリネシア、メラネシアのフィジーやソロモン諸島など南太平洋です。有名な産地がポリネシア諸島のタヒチ島です。タヒチ島には、大小合わせて500~600の養殖業者があるといわれ、世界の9割程のシェアを占めています。また、タヒチ島からの輸出量は、2007年の統計で7.8トンと他の国々を圧倒しています。
・黒蝶真珠の色の種類
黒蝶真珠の色は、ブラック系を中心に、グリーン、ブルー、グレー、ブラウン、レッド、ラグーンなど様々な色があります。日本では、ブラックやグリーン系に人気があり、最近ではマルチカラーの流行により、多種多様な色が販売されています。黒蝶真珠に色用語では、ピーコックグリーン(単にピーコックと呼ぶこともある)や、ピスタチオ、チョコレートなどと呼ばれる色もあります。特にピーコックグリーンは黒蝶真珠の色を示す代表的な用語です。ピーコックグリーンとは、その名の通り、ボディカラーが深い緑色で、真珠層の光の反射で見られる真珠の中心の干渉色が赤色を持つ、大変美しい真珠です。市場でも高価な色として流通しています。
・黒蝶真珠の形の種類
黒蝶真珠の形(シェイプ)は、ラウンドやセミラウンド、ドロップ(しずく型)、トップ、ボタン、セミバロック、バロック、ケシなど色々な形があります。主に、ラウンドとセミラウンドの形が多く産出され、その理由としては母貝に球体の核を挿入して養殖するためです。また、貝の中で自然に育まれるため、ドロップやバロックなど自然な風合いを感じるシェイプもあります。しかしケシだけは少し異なります。ケシ(芥子)とは無核真珠の呼名で、これは養殖の際に副産物として採取(浜挙げ)された真珠をさします。形を楽しむなら、バロックやケシがお勧めです。美しい海と母貝が育んだユニークでバリエーションに富んだ形を楽しんでいただけます。